こんにちは。
大統領選の直後にこの記事を書いた時はカリフォルニア州独立運動「Calexit」がこんなに長く続くとは正直考えていませんでした。実際この話題を今の今まで忘れてましたしね。
UCバークレーでデモが過激化したという記事を読んで、再び気になりだしました。
調べると、独立へ向けた動きは着々と進んでいるようです。
独立への具体的なスケジュールが明らかに
独立派はすでに署名集めを開始していて、7月25日までに58.5万の有権者の署名を集める必要性があるとのこと。署名集めが成功した場合の具体的なスケジュールは次の通りです。
2018年秋に州憲法を改正を問う投票が行われます。改正される部分は、「カリフォルニアはアメリカ合衆国の不可分の一部」という部分と「合衆国憲法がカリフォルニア州の最高法規である」という部分。
そして州憲法改正が成立した場合は、2019年3月5日に合衆国からの独立を問う住民投票が行われます。登録有権者の50%以上が投票し、55%の賛成で独立が宣言されるとのことです。
ソースはこちら(pdf、英語)
州民の1/3が独立に賛成
現状で署名がどのくらい集まっているのかはわかりませんが、世論調査ではカリフォルニア州民の32%が平和的な独立に賛成しているんだとか。他の州に比べて10pt近く高い数字。カリフォルニア州民の独立への機運が高まっていることがわかります。また、大統領選直後から独立派のメンバーは5倍近くに増えているとの情報もあります。これからトランプ大統領がさらに過激な政策を打ち出せばもしかすると2年後にはカリフォルニア共和国が誕生しているかもしれません。
独立国としてやっていけるのか
仮に独立したとしてカリフォルニアは独立国としてやっていけるのでしょうか?独立派はこの点については全く問題ないとしています。カリフォルニア州のGDPは2.5兆円で世界6位。これはフランスよりも多い数字です。そして人口は3880万人。これはお隣の国カナダ(3580万人)よりも多い数字になります。
こう考えると確かに独立しても問題ないように思えます。しかし独立すれば国防や独自の通貨発行など新たな問題が発生します。独立派はこの辺りの課題をどう解決するのかを明示しないといけないでしょう。
おまけ:過去には独立国だった時代も
実は現在のカリフォルニア州はアメリカ合衆国に併合される前の一時期独立国だった時代があるんです。と言ってもわずか1ヶ月ですけどね。カリフォルニア州の歴史を簡単に整理すると、
ヌエバ・エスパーニャ副王領(1519年-1821年)
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スペイン帝国領アルタ・カリフォルニア(1804年-1821年)
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スペイン帝国からメキシコ独立(1821年)
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メキシコ領アルタ・カリフォルニア(1821年-1846年)
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米墨戦争(アメリカ・メキシコ戦争)(1846年-1848年)
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☆カリフォルニア共和国(1846年6月14日-7月9日)
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アメリカの31番目の州になる(1850年)
こんな感じ。☆の部分の1ヶ月間だけ独立国カリフォルニア共和国として存在していてしっかり大統領もいました。ちなみにアメリカの50ある州の中で合衆国に加盟する前に独立国だったのはテキサスとハワイとカリフォルニアの3州だけだそうです。
そう考えると、独自のアイデンティティが育まれている州なのかもしれませんね。
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