日本人の3人に1人、20代の4割が自分のことをコミュ障だと感じているといわれるこの時代。コミュ障克服のための本やサイトも山積しています。僕もコミュ障で悩んでいるので、それらの本を読み漁ってきました。
今回はその数ある本の中からこれだけは読むべきだと思う本、「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」を読むべき3つの理由と共に紹介します。
1.著者自身がコミュ障
この本の著者はアナウンサーの吉田尚紀さん。アナウンサーというとコミュ力が高いイメージですが、吉田さんはまず人から「つまらない」と言われるのが怖い。人と会うことが非常に苦手でした。(中略)
現在でも目を合わせてしゃべるのは苦手です。いまをときめくアイドルがぼくの番組にゲストでいらっしゃっても、ほとんど目を合わせることができません。
と語るほどのコミュ障。
アナウンサーになってからとても苦労し、長い間努力と研究を重ねてコミュ障を克服してきました。
一般的な会話術などの本は会話、コミュニケーションが得意な人が書いていることが多いんですよね。そういう本はレベル5から10に上げたい人には良いんですけど、僕たちのようなレベル0から1に上げるのが目的のコミュ障たちにとっては一番大事な基本的な情報がなかったりする。
だからこの吉田さんのように苦労に苦労を重ねてコミュ力を上げていった人の体験というのはとても貴重だし、同じ悩みを抱えていた分、アドバイスも的確です。
2. 超基本的なことも載ってる
これも最初と関連した事柄ですが、コミュニケーション本で紹介されている技術って実際に使う機会が少なくないですか?必ずと言っていいほど紹介されるミラーリングとか一回も使ったことないんじゃないかな…
僕らはそんな小手先のテクニックよりももっと根本的なことが知りたいんですよね。雑談ってどうやって始めたら良いの、とか会話が途切れたらどうすればいいとか、途切れないようにするにはとか。
えっこんなことも?
ってくらい超基本的なテクニックが欲しいんですけど、普通の本やサイトにはあまり載ってない。でもこの「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」はそういったことを1から優しく説明してくれています。
例えば雑談の話題について。
コミュニケーションはふたり集まったら強制スタート、はじめからそこにおたがいの興味が一致する話題は存在しません。話題はどこかから降ってくるようなものではないし、あらかじめ決められてあるものでもない。相手と出会って瞬間に、つくっていかなければなりません。
(中略)
でも単に「今日は暖かいですね」とか「サッカーが大好きで」と言っても、相手の反応が「はぁ…」だったら話は繋がらない。会話を話題の問題と捉えている以上、気まずさを回避できる確率を上げることはできないんです。
あるあるですね〜笑
勇気を振り絞って話題を振っても一瞬で会話が途切れて気まずくなるパターン。
こういうときはどうすれば良いんでしょうか?
その答えはじつにシンプル。質問すればいいんです!単に話題を口にするのではなくて、「暖かいのになぜ長袖なんですか?」とか「サッカーはお好きですか?」と訊けばいい。
なるほど、なるほど。
これだったら必ず会話が続きますよね。
と、まあこんな感じに超基礎的なことから手取り足取り教えてくれる。
こんな親切な本は他にありません。
3. コミュニケーションをゲーム感覚で楽しめるようになる
吉田さんに曰く、 コミュニケーションを一種のゲームと捉えることがコミュ障克服の大きな一歩。コミュニケーションをゲームと捉えないと、会話はふわふわして曖昧なまま、うまくいってるかそうでないか評価ができない。評価できないものはどこをどう修正すればいいかわからないので、うまくなりようがありません。コミュニケーションをゲームと捉えると意味のある練習ができるようになるんですね。
ゲームのルールは、
①敵味方に分かれた「対戦型のゲームではない」、参加者全員による「協力プレー」
②ゲームの敵は「気まずさ」
③ゲームは「強制スタート」
④ゲームの「勝利条件」
これを知ってから、コミュニケーションに対する考え方が変わりました。ゲームなのでどうすれば勝てるかを論理的、戦略的に考えられるようになるんですよ。
そして会話中に自分のことを客観的に見るようになりました。
すると色んなことに気づくようになります。
「あっ、ちょっと喋りすぎてるな」
とか
「今は自分の質問が悪くて相手が答えに困ってるな」
とか。
こういうことに気づけるようになってから、自分の会話を冷静に分析できるようになったので、自分の欠点を改善できるようになってきました。
最後に
この本を読んで、吉田さんのようにコミュニケーション能力はあとからでも身につけられるんだと実感しました。僕も「自分はコミュ障だから…」と諦めていましたがこの本を読んで救われました。
ある調査によると、日本人の半分以上はコミュニケーションに悩んでいるらしいです。
コミュ障で悩んでいるのは自分だけじゃないし、コミュ力は練習すれば上げることができる
そう気づかせてくれた一冊です。